2013年9月7日土曜日

ラヴェンナの世界遺産巡り(その2:サン・ヴィターレ聖堂)

クラッセからバスでラヴェンナの街に戻り、街の中にある遺産を周ります。
最初の訪問先はサン・ヴィターレ聖堂(547年)。チケット売り場は門の手前にあります。チケットを持たずに門の中に入ると警備のお兄さん(なぜか片言の日本語が話せる!)が教えてくれました。
ここでは街中にある世界遺産5か所を見ることが出来るチケット(8.5ユーロ)を購入。



美しいモザイクの床に迎えられます。
 壁に飾られているモザイクも細かくて美しい。
 奥に入るとまたもやゴージャスなモザイク画が!!
 アプシスの中心は球体の上に座る若きキリストです。その左右には天使を介して聖人が描かれています。球体の下は旧約聖書に出てくる4本の川が流れる花咲く楽園です。
 天井も大変細かいモザイクです。キリストを表す金の光背を持った子羊を支える4天使。
どこを見ても息を飲む色鮮やかなモザイクが。贅沢。

こちらは有名なユスティニアス帝、彼の部下の軍人と司教、聖職者たちです。皇帝は王冠をかぶり紫色の衣をまとっています。この紫色の染料は貴重なもので、貝から採れるそう。「帝王紫」だそうです。皇帝の右側に立つ司教はマクシミアヌス。皇帝は一度もラヴェンナを訪れたことがなかったはずなのに、なぜか皇帝の隣にちゃっかり自分を描いているあたりが見栄っ張り司教という感じです。今の時代にもいそうな虎の威を借るなんちゃら、という感じで笑ってしまいました。ユスティニアス帝はヨーロッパの法律の礎となる「ローマ法大全」を編纂した人物です。



そしてそのちょうど対面にあるのがユスティニアヌス帝の御妃であるテオドラのモザイク。紫色のマントの裾には「東方三博士の礼拝」の図柄が描かれていたりして細かいところまで美を追求しています。テオドラは身分の低い女性でしたが、即位前のユスティニアスと出会い恋に落ちたとか。ユスティニアスは貴族でなかったテオドラと結婚するために帝国の法律を変えました。

アブラハムの饗応。



本当にすばらしいモザイクです。 
中央の天井画は18世紀のものです。
 
*解説は浅野和生先生の「ヨーロッパの中世美術」と池上英洋先生の執筆を参考にさせて頂きました。