エストニアに来て二度目の夏至を迎えました。日の出は03:03、日没は22:40で、夜中まで明るい毎日。日が長くなった5月頃はこれに身体がついて行けずなかなか寝付けなかったり、夜中に何度が目が覚めたりしましたが、今では明るい時間に寝ることにもすっかり慣れました。これを境にどんどん日が短くなっていくと思うとすでに悲しいです・・・。
ところで、エストニア人にとって夏至とクリスマスはとても重要な日。この前後、タリンは観光客にほぼ独占されエストニア人が消えます。皆地方で夏至を過ごすのだそうです。夏至の前夜はボンファイヤーを囲んで夜通し踊ったり飲んだりするのが習わしだとか。明るい中のボンファイヤーもそれはそれで趣があるのかも知れません。
・・・ということでタリンに残されたスウェーデン人のお友達と私は2人で夏至の前夜祭をすることに!
このお花は、夏至の日に必ずと言ってよいほど飾られるものだそうです。とても素朴な良い香りがします。
スウェーデンの夏至祭の定番はにしんだそうです。以下はにしんのマスタード風とにしんと魚の卵、その他スパイスと和えたもの。にしんは生のものです。付け合わせはゆでた新じゃがとサワークリームとチャイブを合わせたソース。
お互いの国の料理を紹介するはずだったのですが、彼女の紹介してくれたものは一切料理の必要なし。一緒にやったことと言えばサワークリームにチャイブをハサミで切って混ぜ、じゃがいもを茹でただけ。にしんは瓶詰めを利用(スウェーデンでも今や家庭でにしんを漬けることは少ないのだそうです)。 さすがは合理的な国の国民!対する日本も負けずにフードプロセッサーで混ぜるだけの餃子を紹介しました。
私たちが乾パンと呼んでいるスウェーデンのパンもチーズをのせて美味しく頂きました。
友人のお料理嫌いのお母様オリジナルのデザートはもっと強烈。でもおもてなしにも素敵なレシピなので是非お試し下さい。
【超簡単フルーツパイ】
①パイ皿に適当な大きさに切ったルバーブとイチゴを並べる。
②上から砂糖をたっぷりふる(15センチくらいの小さなパイ皿で25グラムほど)。
③その上に小麦粉を砂糖と同量ふる。
④バターをのせて(たっぷり)、230度のオーブンで15分焼く。
こんなに簡単なのにこんなに美味しくて良いの?と思うほど美味しいパイでした。バターの香りがすばらしいです。この際カロリーを気にしてはいけません。りんごやバナナでも応用できそうですね。
そしてとても珍しいクラウドベリーのジャムを頂きました。クラウドベリーは北極圏でしか取れないベリーで希少性が高い高級なものだとか。
これは温めてアイスクリームにかけて頂きます。
私の夏至の思い出と言えば、数年前、同僚と皇居に花を摘みに行ったこと。スウェーデンの言い伝えによると夏至の前夜、何も話さず7種類の花を摘み、それらを枕の下に入れて寝ると夢枕で将来の伴侶に出会えるのだとか(同僚はこの情報を飛行機の機内誌で得ました)。その時はまさか北欧に転勤になり、スウェーデン人のお友達と夏至祭を祝うとは想像だにしていなかったので、面白いご縁を感じます。そして先日、同じ言い伝えがエストニアにもあるということが発覚!
さらにエストニアにはもう一つ面白い言い伝えが・・・。夏至の前夜、林でとあるシダ科の植物の花を探すことが出来れば、その人は「本当の愛」を見つけることが出来るというもの。でもこのシダ科の植物、実は花をつけないそうなのですが・・・。
いずれにせよ北欧の人にとって夏至はとてもロマンチックな日なのですね。