2012年2月24日金曜日

エストニア学生団体と国旗の話

タルトゥにあるエストニア学生団体(Estonian Students' Society)に行ってきました。この団体は1870年4月7日に創立されました。5人の学生と3人の知識人によって「カレヴィポエク」(民間伝説、日本で言うところ古事記)の勉強会が始まりです。メンバーは男性のみですが、エストニアで最も大きく古い学生の団体です。

学生会館はメンバーによって運営されており、中にはリビングルーム、コンサートホール、図書館、レセプションホールなどがあります。メンバーは終身会員。学生はごく少額の会費を払いますが、ほとんどは卒業生の寄付で運営されています。現在会員数は約1,000人。うち200名が活発に活動しているそうです。
会館は24時間開館しており、常にビールなどの飲み物が置いています。これは飲みながら、語りながら学部を超えた人脈形成につながっているそうです。また何歳になっても戻ることの出来る心地よい場所で、卒業後の人生にも良い影響があるということでした。


この学生団体は1881年に旗の色を決めました。それが今のエストニアの国旗の色です。青(空)、黒(大地)、白(純潔)のトリコロール。1884年、最初の旗がシーツで作られましたが、その旗は作られてすぐに当時の帝政ロシアによってタルトゥでの使用を禁止されてしまいました。最初に作られたその旗は土の中に埋められるなどしてソ連時代も守り継がれ、今は国立博物館に保存されています。
1940年エストニアがソ連に占領されてから、この3色の使用はかたく禁じられました。黒い背広に白いシャツ、青いネクタイのような格好も禁止され、時には拘束され死刑になってしまうほどだったそうです。

1918年~1920年の独立戦争では、ソサエティーのメンバー13名が戦士しました。その記念碑はなんと、ソ連時代にタルトゥ大学の看板だった石のリサイクル。その裏面に記載されています。ロシア語の看板はトイレに面しています(笑)。
ソサエティーのメンバーは80年代スウェーデン、ドイツ、英国、米国などでエストニアの独立回復にも寄与しました。

表面
裏面












エストニアに学生の団体はいくつかありそれぞれの団体がそれぞれ特徴のある帽子を作っています。この帽子は宝物で、人に貸したりしてはいけないそうです。また6年半以上積極的な貢献を行った人には帽子のてっぺんに金色の模様の入った帽子が与えられるそうです。会長は選挙で半年ごとに選ばれ、任期中は金色の指輪をはめます。このソサエティーのメンバーの指輪もあります。これまで数々のエストニア人がこの指輪をしているのを見ましたが、その意味が始めて分かりました。また、下の写真のネクタイの上にかかっている国旗の色のリボンは年に数回決まった日に正装した時にだけに着用が許されるのだとか。これもずっと大切にする宝物なのだそうです。
また会館には女性が入ることの許されない部屋がありました。ここではセレモニーが行われるようなのですが、いったいどんなセレモニーなのか大変気になります。

0 件のコメント:

コメントを投稿