2019年11月3日日曜日

Florilege (フロリレージュ 外苑前:フレンチ)

本日はカンテサンスのスーシェフとして活躍していた川手シェフのレストラン、フロリレージュでランチ。

キッチンを囲むようにしてカウンターが並んでいる劇場スタイルです。


メニューはランチもディナーもおまかせのみです。7品のコースです。

一品目は「焼芋」。枯葉に見立てたほうじ茶のスモークに包まれ


焼芋が隠れています。


外側は紫芋で作られたもちもちのクレープ生地です。中にはさつまいものピューレが入っています。見た目は本当のさつまいものようです。


 続いては「椎茸 バッカスチーズ」。トリュフやしいたけのすばらしい香りが鼻をくすぐります。美しい木の器の底には椎茸のプリン、その上にたっぷりのスライスした椎茸(グリルしたものも入っています)とバッカスチーズ。
 上には黒トリュフがたっぷり。そしてテーブルで、椎茸のおだしとチーズで作ったコンソメが注がれます。
 フロリレージュの食材は100%日本の食材。チーズも国産です。バッカスは、長野県松本市にある清水牧場チーズ工房のもの。北アルプスの1500メートル以上の高地で育つブラウンスイスの生乳を用いて作ったものだそう。

ココナツのかわいらしいケースに入って出てきたのは

酒粕のパン。蒸しパンで、ソースの吸収が素晴らしいものでした。

カトラリーはかわいらしいカトラリーレストに並べられます。

「サステイナビリティー 牛」。スモークされたポテトのピュレの上に、経産牛のスライス、ソースは野菜と牛肉のコンソメです。子どもを産んだ母牛はあまり使われることがないのだそうですが、食材廃棄の問題を考えるという観点からこのメニューを紹介するようになったのだそうです。最後のパセリのオイルは、テーブルで添えられ、華やかな緑を加えてくれます。この牛肉は生のように見えますが、実はかなり手がかけられています。生ハムのように乾燥させ、叩いてスライスしてストックにくぐらせて冷蔵庫で寝かして・・・と少し聞いただけでも、ものすごいプロセスです。

ここでメインディッシュのお肉の紹介がありました。本日は沖縄の島豚です。

「鮎」。鮎の中に肝のソースを巻いてフリットにしたものです。添えられたのは粒マスタードとトマトジュース。






 トマトジュースは口の中をすっきり・さっぱりさせてくれるクレンジングの役割も担っています。

鮎の中には肝ソースがたっぷりです。


メインの前に出てきたパンはライ麦のパンです。

舞台でのアセンブリングの作業を見ているのもとても楽しいです。

「分かち合う」。ほかのお客様と塊をシェアしていただくことから分かち合うというタイトルがつけられています。
シンプルな島豚のロースのロースト。下にはキノコのソース、上には赤ワインのソース、サイドには荏胡麻のソースの3種類のソースでいただきます。上にはもち米と玄米とみそを合わせて焼いたものが乗っています。

島豚は大変甘くておいしいしっとりとした豚肉でした。すばらしい食材を完璧なタイミングで火入れを行ったシェフの実力に脱帽です。ソースもお肉と大変良いバランスでした。難点はナイフが切れなかったこと・・・。


一品目のデザートは「いちじく」。しょうが入りのブラマンジェ、いちじくのジャム、フレッシュないちじく、最後にミルクのパウダーがかけられています。

最後は「贈り物、アマゾンカカオ」。チョコレートのムースをキャラメルでコートしたものとカカオパウダーと生クリーム。

〆にふさわしいデザートでした。

最後は食用ほうずき。



大変美味しく楽しいランチでした!!こちらは、お客様が食べたものを記録に残しているようで、同じおまかせを頼んでもテーブルによって出てくるものが異なります。本日はそれぞれ3種類くらいとバラエティーを作っているようでした。最初はメニューは一つしかないのに、全く異なるお皿が出てくるので不思議に思っていましたが、途中で気が付いてさすがだと思いました。
本日一番感動したのは「椎茸 バッカスチーズ」でしたが、どこのレストランに行ってもなかなか納得の品に出会うことの少ないメインディッシュもシンプルでありながら、オリジナリティーや感動のある一品に仕上げていた点は本当にすばらしいと思いました。食材への信頼とその食材のポテンシャルを最大限に引き出す技術に感服です。
御馳走様でした。


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