2011年1月31日月曜日

朝焼け

最近少し日が長くなりました。真っ暗だった通勤も今ではうっすら明るい中を歩いています。日に日に大きく明るくなる小鳥のさえずりに春が一歩一歩近付いて来るのを感じます。不思議と毎日すれ違う人々の顔もどんどん明るくなってきます。
ラッキーな日にはこんなに美しい朝焼けが挨拶をしてくれます。

























幸せな一日の始まりです。

2011年1月29日土曜日

エストニアのユダヤ人社会

タリンにあるシナゴーグに行ってきました。2007年に開館したシナゴーグはとても美しい建物でした。
エストニアにおけるユダヤ人に関する最も古い記述は1333年、公式にユダヤ人コミュニティの存在が認められたのは1856年だそうです。現在エストニアのユダヤ人コミュニティは2,000人。その75%がロシア系だそうです。シナゴーグに隣接して学校やコミュニティーセンターもあり、学校では270名の子どもが学んでいるとのことです。
入り口は、ザクロの扉です。男性はヤマカ(丸い小さな帽子)をつけて中に入りました。ヤマカは頭上に神がいるということをあらわす大事なものです。女性は何もつける必要なしです。

こちらは祈りの場所。この椅子はイスラエルから取り寄せたそうです。なるほど座り心地は最高です。壁の模様はザクロ。ユダヤ教がザクロを象徴的に用いるのはザクロに入っている種の数と613もあるユダヤ教の戒律の数が同じだからとか、ザクロの花弁が6枚で、これがダビデの星を象徴しているからだとか諸説あるようです。
このシナゴーグにあった蛇口はひねるものでもセンサー式の物でもなく、足で踏むポンプ式のものでした。説明してくれた方曰く、ユダヤ教の安息日(金曜日の日没から土曜日の日没)には電気も使うことが出来ないので、とのこと。


この扉の中には経典が置かれています。ユダヤ教の経典は手書きでならねばならず、一字でも間違えるとそれは経典にならないとか!!!

このシナゴーグにはコーシェルのレストラン「エルサレム」が併設されています。

前菜。



メインはお魚にしました。
デザートはりんごのフリッター。

豚はもちろん、海老やかにも食べることが出来ず、粗食を重んじるユダヤ教、私には改宗は不可能です・・・。

2011年1月27日木曜日

これで私もファーストレディ!

今月17日~20日まで、イルヴェス大統領夫妻はスウェーデンのグスタフ国王のご招待でスウェーデンを公式訪問しました。大統領夫妻は17日の午後エストニアの客船タリンクでタリン港を出発し、18日の早朝ストックホルムに到着。
実はイルヴェス大統領はストックホルム生まれ。スウェーデン出身の唯一の大統領です。イルヴェス大統領のご両親は戦火と占領を逃れ1944年、スウェーデンにやってきました。今回の公式訪問では生家を訪れたり、現地のエストニア人コミュニティーの人々に会い、エストニアから持ってきた種で作ったパンをご馳走になったり、エストニア難民がスウェーデンへの恩返しに建てた記念碑を訪れたり、要人との会談を行ったりしました。エストニアのマスコミ各社はこの公式訪問を毎日大きく報道していました。

第2次世界大戦後スウェーデンに逃れたエストニア難民は約28,000人。一番多く受け入れたのはドイツで、その頃避難民キャンプには35,000人から40,000人のエストニア人がいたとか。

それはさておき、今回の大統領公式訪問で一番話題になったのは、エヴィリン夫人のファッション。紙面でもネット上でも大きな議論を呼びました。この帽子はもちろんエストニアのデザイナーがデザインしたもので、エストニアの民族衣装からインスピレーションを得たもののようです。奇抜ではありますが、エストニアを愛しているからこそのファッションだと私は思いました。

                      ⓒIlmar Saabas (Delfi)

そして何と、今日はファーストレディの帽子の作り方という付録まで新聞に付いてきました!しかもかなり上質の紙で!

「中身でなく外見が重要な時に使いましょう」「話題があることが重要」と記載されており、新聞社の宣伝になっているとか。ユーモアがあるというか、何と言うか・・・。


せっかくなので私もファーストレディーの帽子を作ってみました。

2011年1月21日金曜日

炎の彫刻世界大会

本日旧市街の公園で、欧州文化首都関連の「炎と氷の祭典」のイベントの一部として「炎の彫刻世界大会」が開催されました。

90年代にスウェーデンで始まったと言われる「炎の彫刻」の世界大会が開催されるのは今回が初。今回は11カ国からの参加があったそうです。参加者には同じ量の材料が配られ、決められた時間内に組み立てを行います。勝敗はその美しさ等で競われるとのことです。賞金は1位2,500ユーロ、2位1,500ユーロ、3位が1,000ユーロとのこと。今回の世界大会の材料は事前に市民の協力を得て、役目を果たしたクリスマスツリーが集められました。本日は予選を勝ち抜いたチームの最終戦。決勝に残ったのはアメリカ、エストニア、韓国、ノルウェー、ラトビア、リトアニア、ロシアの代表。
皆さん朝から一生懸命組み立てています。




























そしていよいよあたりが暗くなり、決勝戦の開始です。

どこからやって来たのか、とにかく人、人、人です。オブジェに火がともされると見物客の顔も明るくなります。
炎の力でまわりも華やかに、そして暖かくなります。火の粉が勢いよく散る様子はそれはそれは芸術的。 主催者が炎の彫刻は、実際にその場で経験しないとその良さは分からないと言っていましたが、なるほど、5感に伝わる芸術です。 優勝はリトアニアの作品だったようです。










再来週からは自由広場で氷の彫刻が披露されるそうです。


ついに我が家にも!

去年の11月から各世帯に配布が始まったユーロ計算機、我が家には来ないのかなと諦めかけていた矢先、ついに我が家のポストにも「テレ・エウロ」の封筒が!

政府は昨年中国のメーカーから小さな計算機56万1千個を購入しました。各世帯に1つずつ配布するというのが計画です。この計算機の予算の半分は欧州理事会から出ています。1個当たり約50円といったところです。エストニアの欧州議会議員からゴミのばら撒きと言われたり、環境に優しい廃棄方法が決められていなかったり、不良品が数多く出たりするなど色々物議を醸したユーロ計算機ですが、開けてみると純粋なる計算機としての機能の他にユーロをクローンに、クローンをユーロに表示する機能がついていました。説明書はエストニア語、ロシア語、英語の3カ国語で書かれています。

エストニアの国会でも取り上げられたこの計算機、リギ財務相は去年国会でこの計算機は欧州理事会の要請により導入を決めたものであり、エストニアの意思でない旨答弁しています。きっと導入しなかったらしなかったで他の国ではやったのになぜエストニアではやらない、などと文句が出たでしょうし、何をやっても100%の支持を得るのは難しいですね・・・。そんなリギ財務相は、The Bankerという雑誌で「2010年の財務相」に選ばれています。エストニアはユーロ加盟を達成するために、多くの犠牲を払ってきましたから、エストニアの活躍が称賛されるのを目にするのは嬉しいことです。














まだ計算機の届いていない世帯があるということで、最近政府は22,000個を追加注文したとのこと。

この計算機、必要のない人は返品することが出来ます。もちろん返品された計算機はそれを必要とする人の所に届けられることになります。私も必要ないので、早速お返しすることにしたいと思います。

2011年1月17日月曜日

Narva (カフェ)

前々から気になっていたKohvik Narva。時代を感じるカフェだと友だちに勧められていたのですが、なかなか機会がありませんでした。


何の飾りけもない店内。お客は高齢者を中心に席の半分くらいの人が入っています。意外です。店員は1名しかおらず、本当に商売する気があるのだろうか?と疑ってしまいます。店内は寒く、お客さんは皆帽子をかぶっています。中にはコートを着たままの人も・・・。
















メニューを待つこと10分。やっと手にしたメニューを何度熟読しても店員は一向にやって来ない。その間やって来たカップルはしびれを切らして退出。私は本日ここで食べて帰ることが目的なので、じっと我慢。やっと気がついてもらえたので、ペリメニ(ロシア風餃子)を注文してみました。ペリメニは注文してから10分ほどでやってきました。2.6ユーロ也。お味はなかなか。さっぱり頂けました。
デザートはスコーンとショートブレッドをかけあわせたようなお菓子。素朴で美味しかったです。


このカフェ、自分からアピールしないと放っておかれるのですが、あまりかまってもらいたくない人にはぴったりかも知れません。
カフェの隣には同系列のパン屋さんがあり、ここは大人気。狭い店内にお客さんが沢山入っていました。これは美味しいか安いかその両方かと思ったので私も並んでケシの実ロールを購入しました。ずっしり重たいケシの実ロールは何と1.2ユーロ。ケーキのようにスライスして食べると6スライスも取れました。なんて安いのでしょう!しかもケシの実たっぷりでお味もとても良かったです。


















2011年1月15日土曜日

犬の世界

ドラゴンギャラリーで開催中の個展に行ってきました。

Edith Karisonというエストニアのアーティストの個展で、そのタイトルは「ドッグショー」。

外の通りからもよく見えるのですが、紙で作られた犬のオブジェはかなりインパクトがあります。犬が犬の散歩をしていたりして発想もユニークです。

こちらも皆人間のように立っている犬たち。


犬のメリーゴーラウンドまであります。何かを伝えたいのか、それとも何も考えていないのか、このアーティストに是非聞いてみたいものです。










2011年1月14日金曜日

頭上注意!

タリンでは日本だったらそれだけで観光名所になりそうなつららを沢山見学することが出来ます。遠くから見る分にはきれいですが、先が鋭く固いつららはそれだけで凶器。旧市街の美しさを彩る屋根の雪も放っておくと屋根崩壊の原因に・・・。

・・・ということで冬の雪下ろし(+屋根の氷割り)とつらら落としは欠かせないのです・・・。
こちらが屋根から落とされた氷。中には氷屋さんで扱っているような大きさのものも沢山あります。















タリンは今週前半急に氷が溶けるほど暖かくなり(1~2度!)、溶けた氷の塊が落ちてきてけが人が出たり車が傷つけられるなどという被害が沢山報告されました。私も真後ろから「ゴオ~~」という音がするので振り返ると頭上から氷の塊が雪崩のように落ちてきて間一髪という経験をしました。冬は頭上も足元も注意が必要です。
雪崩と言えば、チュニジアはあれよあれよと言う間に大統領が国外逃亡。あちらこちらに飾られていた大統領の写真は今や燃料か腹いせの的。ある意味、大統領の写真が何処に行っても拝見出来るという異様な世界を見た最後の観光客になってしまいました。チュニジアには秘密警察も沢山おり大統領の悪口でも言おうものなら大変なことになっていたそうですが、我らがガイドさんは英語だから安心していたのか、かなりの悪口を言っていました。相当不満がたまっていたのでしょうね・・・。これで混乱が鎮静化されることを祈るばかり。

2011年1月10日月曜日

チュニジアが・・・

チュニジアが大変なことになっています・・・。失業率の高さに不満を訴える若者たちのデモが警官隊とぶつかり少なくとも今日までに18人が亡くなったとか・・・。

チュニジアは日本のように資源のない国家だけど、教育水準が高く、医療分野などで注目を浴びている、と良い話を聞いたばかりだったのでショックです。先ほどBBCのインタビューに答えていた人権団体の代表は大統領は辞職すべしと、ものすごい剣幕で語っていました。
人々の感情が爆発したのは先月末シディ・ブ・サイドで果物を違法に売っていたMohammed Bouaziziさんが警察に捕まり、抗議のため石油をかぶってライターで火をつけ自らの命を絶とうとした事件が発生したのが発端。大統領は雇用創出に向けた努力を約束したそうですが、この混乱、早く収まると良いのですが・・・。