2017年7月1日土曜日

NOA(タリン・レストラン)

旧市街から車で15分ほどの海沿いにあるレストランNOA Chef's Hallにやって来ました。同じ敷地の中に、NOAレストランとNOAシェフズホールの2件のレストランが入っています。本日はテースティングメニューのみを提供するシェフズホールを体験しました。


テーブルセッティングはこのような感じです。アヒルの足の中には水を入れると膨らむタブレット状のおしぼりが入っています。
メニューには鉛筆が挟まれていて、何でも聞いてノートを取って下さいと言わんばかり。




カトラリーはまとめてテーブルの脇に置かれています。サービスの手間が省けて良いアイディアですね。

英国のレストラン評論家ニコラス・ランダー氏が大絶賛したパン。クミンの入った黒パンとローズマリーが添えられたブリオッシュ風のパン。手作りのバターと

豚肉の脂肪を付つけて頂きます。こちらの脂肪はりんごとオニオンで香りが付けられています。


最初のおつまみは鮭の皮。鮭の皮を何層も重ね薄くスライスしたおせんべいのようなものです。上にはディルとラムソンのペーストが臭み消しの役割も担い乗せられています。
Fish Skin



本日はお食事に合うジュースを提供してくれるジュースペアリングを試してみました。なかなか考えられています。
最初のドリンクは今シーズンのルバーブとはちみつ。穏やかな酸味が食欲をそそります。


最初の1品はホタテ貝。細かく刻まれた生のホタテ貝の上に薄くスライスされた大根が丸い型に抜かれて並べられています。中心部分は甘いレモンの皮のクリーム。
Scallop

最後に注がれたスープは世界を制したdashi。しかも普通の出汁ではなく、動物性のストックも入っているのだそう。まず一口スープをいただくと、「ん??」という感覚が・・・。これはラーメンスープの味!!日本人としてはそう珍しくない味、むしろ一般的な味ですが、ホタテ貝、大根と甘いレモンクリームと一緒にいただくとあら不思議、高級な味と食感に。すばらしいです。

本日は寒くてほとんど人がいませんでしたが、NOAには素敵なテラス席もあります。

対岸には旧市街を望むことができます。

巨大なガラスと美しい木材で囲まれた外観は周囲の自然と調和しています。

次はアスパラガスという一品。グリーンアスパラガスと思っていましたが、何と白アスパラガス!!・・・でも細い・・・。仕上げに白アスパラガスのジュースとディルで作られた焦がしバターのオランデーズソースがかけられました。白アスパラガスはエストニア人やロシア人の大好きなスモークされた豚の油脂で包まれて下り、上には大きいけれど香りの少ないトリュフが乗っています。さらに卵の黄身で作られたクリームが添えられていますが、このクリームは塩分が強すぎて全体として塩っぽくなってしまうので、少し余計な感じがしました。
Asparagus

この一品に合わせるのはもちろんディルの飲物!りんごとディルのジュースです。最後にディルオイルがかけられました。

続いてはイカをお米の大きさほどに細かく切ってリゾット風にしたもの。上のソースは卵の黄身、味噌とムール貝のジュースのソースです。不思議な食感でとても美味しかったです。
Squid

イカに合わせるジュースはタイガーミルクという名前のジュース。パイナップル、きゅうりとコリアンダーのジュースだそう。とてもさっぱりしており、濃厚なリゾットにぴったり。

お口直しはkombucha。いわゆる紅茶キノコです。青りんごと紅茶キノコを合わせたシャーベット。とてもさっぱりします。

Palate Cleanser

メインディッシュはラム。ラムはニュージーランド産です。藁でローストされたもの。添え物はルートベジタブルとショウガのピュレ、ソースはラムのジュースをベースにしたものです。ラムの上にはチャイブとフィールドセージブッシュが乗っています。柔らかくて美味しいラムでしたが、火入れ時間がほんの気持ち長かった気がします。


ラムに合わせるのは、写真を撮り忘れてしまいましたが、ボルドーワインもどきのタンニン分がしっかりしたジュース。りんごジュースをベースにアールグレー、シナモン等のスパイスを混ぜたものです。

デザートの前のチーズは英国のブルーチーズ、スティルトン、スモークされたりんごと野菜の灰です。下にはクラウドベリーのジャムが敷かれていて、混ぜていただきます。塩味、甘味と酸味の絶妙なバランスです。
Cheese

スティルトンには「旨み」という名前のジュースを合わせます。このジュースはいちごとスモークトマトでできています。すばらしい発想です。


デザートはチョコレートガナッシュの上にスモークされたキャラメルアイスクリームの乗った一品。
Chocorel

デザートに合わせるジュースはパプリカを焼いた時に出てくるジュース、ハラペーニョとホワイトチョコレートのエッセンスを一晩寝かせたもの。辛みがチョコレートのデザートとよく調和していました。ジュースのマッチングを考えるのは給仕の方々の役割だそうで、毎日楽しく色々な組み合わせを考えているとか。

最後のプチフール。

最近の流行を追求した素敵なレストランでした。また再訪したいです!








フルテースティングメニューは79ユーロ、ワインペアリングは69ユーロ。ジュースペアリングは59ユーロです。今回いただいた短いコースは69ユーロ(21時以降の来店は自動的にこのコースになります)でした。

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