里山にある豊かな食文化と先人たちの知恵を料理で表現したイノベーティブ里山キュイジーヌ、革新的里山料理、を提供するNARISAWAでランチをしてきました。NARISAWAに前回お邪魔したのは、忘れもしない2011年3月11日。ワインセラーからワインが落ちてくるのではないかと思うほど大きな揺れを感じました。その後ものすごいことが起こったことを知り本当にびっくりしたのですが・・・。10年近くの時を経ましたが、NARISAWAは変わらず美味しいお食事を提供していました!
メニューには食材が並べられています。国内のあちらこちらから仕入れられた厳選食材の数々です。
本日の食材がどこで採られたものかが記された紙もついていました。海の幸が多く取り入れられています。
”里山の風景・森のエッセンス”という一品。スウェーデンのEsperantoでいただいた「秋の杏茸はどこで探せばよいのか」を思い出す一品。成澤シェフが森をイメージして作った一品。ベースには豆乳を乳酸発酵したものが敷かれており、その上におからに色を付けたパウダー、牛蒡の皮を揚げたもの、山イチゴ、ムラサキシキブ、石川県の山奥から取ってきた野草などが並べられています。左上の液体は杉とならをかんなで削って水出ししたもの。こちらをまず一口いただいて森のイメージを膨らませてからいただきます。
続いては最初のお皿は”森のパン 2010”・苔。一品目をいただいている間、テーブルの上で発酵を続けさせます。本日は愛知のリンゴのパンだそうです。白神山地の野生種、こだま酵母を使っています。
発酵が終わったところで、上から栗の木の粉をかけ、石鍋に入れて12分間テーブルの上で焼きます。
続いては愛知のワタリガニを使った一品。底にはくみ上げ湯葉、その上に山口の甘鯛を蒸したもの、周りにはたっぷりの新鮮なワタリガニと北海道のいくら。上にはほんのりゆずの香りと紫蘇の花。究極の素材が和風のおだしでまとめられた一品。こちらは完全な和寄りです。さわやかなゆずや紫蘇の日本のハーブが良い仕事をしています。
石鍋で焼かれた底の部分はこんなに香ばしい焼き加減に!パンはりんごの甘みがしっかり効いたもっちもちのパンでした!いくらでも食べてしまいそう。
続いては成澤シェフ自らがサーブし説明してくれたこの一品。
静岡のカツオです。焼津の株式会社サスエの目利きの前田さんが船の上で活〆にした新鮮な鰹を厳選してくれているのだそうです。しょうゆとみりんに漬けた鰹の角切り、万願寺唐辛子を揚げてわさびを絡めたもの、高知のフルーツトマトを塩とオリーブオイルで和えたものを和えた一品。上には石川の山奥で採れたコスモスのピクルスが散らされています。
最後にシェフが太白ごま油で上げた天かすをかけてくれました。これで食感が加わります!
このカツオには本当にびっくりです。新鮮そのもので臭みが一切なく、本当においしい!ねっとりとした食感も最高でした。また全ての食材のコンビネーションも計算されつくされていて驚き。
続いては”五穀豊穣”。稲刈りシーズンの一品です。シェフ自らサーブしていただきました。この和紙を取るとお皿からスモークが現れます。
山口県産の鰆を使った一品。脂の乗った8キロの鰆を藁でスモークしたものです。美しい赤は紅くるり、緑はビタミン大根です。ピンク色の大根おろしには米糀、紅糀、梅酢などが入っています。緑の大根おろしにには白みそと木の芽が混ぜています。周りのソースはかぼすが入った酸味のあるソース。プチカリ食感が楽しいお米は玄米と黒米。
中はレア。このしっとりした食感もすばらしい!
続いても山口のお魚、クエです。6キロ級のクエをしょうゆ、みりん、お酒などで漬け込み、揚げた一品。周りの粉山椒をつけていただきます。
続いては石川県の赤ムツ(のどぐろ)の一品、。テーブルでフィルムを切っていただくと中からすばらしい香りが・・・。
続いては北海道の蝦夷仔鹿です。大きさを大中小から選ぶことができます。
こちらは中サイズ。添えているのはさつまいも3種、ビーツと栗をスパイスを加えてグラッセ風にしたもの。ソースは赤ワインと北海道のベリーを使った甘すっぱいものです。
デザートは山形のラフランスを丸ごと使った一品。中にはラフランスのソルベ、ポタージュ、くずもちが入っています。泡は金木犀の泡。
記念日スペシャルはこちらのバニラケーキ。お持ち帰りもできます。バニラケーキも大変美味しかったです!!
参りました、と言わざるを得ないすばらしい食材の数々。色々なところに出向いて生産者さんとの信頼関係を構築したからこそ得られる最高の食材だと思いました。こうして得られた最高の食材にすばらしい技術を加えれば美味しくない料理が出るはずありません!全ての品が甲乙つけがたい最高の一品に完成していました。またNARISAWA貯金して食べに来たいと思います!
サービスについても何一つ不満はありませんが、修行中と思われる若い方が多く、マニュアルどおりのテープレコーダーのような説明が多かった気がします。未来の素敵なサービス係を目指してください!と応援したくなりました!!キッチンにいた大勢のスタッフの皆さんも、未来の巨匠を目指して頑張って下さい!
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